✨【第7章】地元帰還と妹の暴走
嵐を抜け、泥だらけでボロボロになりながら、
俺はなんとか地元の村に戻ってきた。
「……帰ってきた……」
その瞬間、なぜか安心してしまった。
(あれ……俺、なんか急いでた気が……
まあいいか……ちょっと休もう……)
完全に忘れてる。
—
## ◆ 村の人たち、なぜか全員話が長い
村に入った瞬間、近所のオバちゃんが声をかけてきた。
「メロス〜!久しぶりじゃないの〜!
ちょっと聞いてよ、この前ね〜」
長い。
長すぎる。
でも断れない。
その後も村の人が次々に話しかけてくる。
「メロス、ちょうどいいところに!
この荷物運んでくれ!」
「メロス、井戸の修理手伝ってくれ!」
「メロス、ちょっと相談があるんだけど〜」
いや、なんで俺が村の便利屋みたいになってんの?
でも断れない。
なぜなら俺はダメ人間だから。
気づいたら夕方になっていた。
(あれ……俺……なんか急いでた気が……
まあいいか……ちょっと酒飲むか……)
完全に忘れてる。
—
## ◆ 酒を飲んでしまうメロス
酒場に入った俺は、
「まあ一杯だけ……」と言いながら三杯飲んだ。
翌朝、二日酔いで死んでいた。
(あれ……俺……なんか……急いで……
あっ……セリヌンティウス……)
ようやく思い出した。
—
## ◆ 妹の家へ
妹の家に駆け込むと、妹は満面の笑みで迎えた。
「お兄ちゃ〜ん!聞いて聞いて!
結婚式の席順なんだけどね〜
あと料理のメニューがね〜
あとね、私のドレスがね〜
あとね、あとね、あとね……」
長い。
長すぎる。
俺は必死に割り込んだ。
「結婚式、前倒ししてくれ!!
俺、明日までに王宮戻らないと友が死ぬんだ!!」
妹は一瞬黙った。
そして言った。
「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
やだぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
いや、なんで?
「だって準備できてないし〜
神父さんも呼んでないし〜
私の気持ちの準備もできてないし〜
ていうかお兄ちゃん、なんでそんな急いでんの?」
俺は説明した。
妹は聞いてなかった。
—
## ◆ 妹、メロスに仕事を押しつける
「とりあえずリハーサルしよ!
お兄ちゃん、司会やって!
あと受付もやって!
あと料理の盛り付けも手伝って!
あとあとあと……」
いや、なんで俺が全部やるの?
でも断れない。
なぜなら俺はダメ人間だから。
気づいたら夜になっていた。
(あれ……俺……明日……王宮……)
—
## ◆ 婚約者、唯一の常識人
妹の婚約者が俺に近づいてきた。
「お兄さん……状況、わかりました。
妹さんには僕から説明します。
神父さんにも話を通します。
前倒し、なんとかします」
救世主。
婚約者は妹に説明した。
妹は文句を言った。
婚約者は神父に説明した。
神父は渋った。
婚約者は説得した。
神父は折れた。
婚約者は俺に言った。
「大丈夫です。
明日の朝、式をやりましょう」
俺は泣きそうになった。
—
## ◆ しかし妹、最後の無茶ぶり
妹は腕を組んで言った。
「でもね?
王様にも挨拶してもらわないとイヤ。
無理なら、王様の国で盛大にもう一回結婚式して。
この条件なしに前倒しはできませ〜ん」
いや、なんで?
俺は叫んだ。
「家族なのに!
なんで協力してくれないんだよ!!」
妹は言った。
「だって私、主役だもん」
婚約者は頭を抱えた。
俺は絶望した。
でも、条件を飲むしかなかった。
「……わかったよ……
王様に……挨拶させるよ……」
こうして俺は、
**妹の無茶ぶりまで背負うことになった。**
セリヌンティウスの命、
王様の試練、
妹の結婚式、
村の雑用、
二日酔い。
人生の荷物が多すぎる。
—


コメント