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✨【第6章】絶望と内面独白
嵐の中を走り抜け、ようやく雨が弱まった頃、
俺は道端に倒れ込んだ。
体力ゼロ。
気力ゼロ。
人生のやる気ゲージもゼロ。
「……無理だ……」
声にならない声が漏れた。
妹の結婚式は明日。
セリヌンティウスは明後日死ぬ。
俺は今日死にそう。
(なんで俺、こんな人生……)
嵐で濡れた服が重い。
靴は泥まみれで、もはや“重り”。
足は痛いし、心は折れてるし、
脳内では「もうやめとけ」って声がずっと流れてる。
でもその一方で、
「いや、お前は行ける」って声もある。
この二つの声が脳内でケンカしてる。
俺はその真ん中で、ただ必死に呼吸してる。
(セリヌンティウス……死ぬのか……
いや、死なせられない……
妹の結婚式……絶対行きたい……
母ちゃんに怒られる……)
人生の優先順位がめちゃくちゃだ。
でも、ふと気づいた。
(……山賊たち、どうしてるかな)
あいつら、雨宿りしてるって言ってたけど、
あのレベルのバカなら、
もしかしてまだ俺のこと待ってたりして……
いや、そんなわけない。
山賊だぞ?
待つとかそういう文化ないだろ。
でも、ほんの少しだけ期待してしまった。
俺はゆっくり立ち上がった。
「……行くか」
足は重い。
でも、心のどこかに小さな火が残っていた。
その火が、俺を前へ押した。
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