今日もまた目を覚ませた。
昨日と同じ天井だ。
それだけでまず一安心だった。
身体はまだ重いけれど、心はなんだか軽い。
昨日はたくさん泣いて、たくさん話をした。
ふたりの名前も聞けた。
翁(おきな)さんとオウナさん。
素敵な名前だ。
私を助けてくれた人。
この恩は絶対に返さなきゃ。
……とはいえ、身体はまったく言うことを聞かない。
翁さんいわく、ここは重力が強いから慣れるのに時間がかかるらしい。
重力。
月にはなかった概念なので理解が難しいけれど、
どうやら“地面に引っ張られる力”がこっちのほうがずっと強いらしい。
地面に引っ張られているなんて考えたこともなかった。
月では力の強かった私も、ここではまともに立つことすらできない。
まるで地面から伸びてくる手に身体を引っ張られているみたい。
急いでいいことはないとオウナさんが言っていた。
もう少ししたら“リハビリ”?というのを始めるみたい。
それまではひとりで無理しないでねって言われている。
同じ言葉が通じるのに、聞いたことのない言葉が多い。
こういうので、ああ私は地球に来たんだなぁと感じる。
まだ部屋の外には出ていないけれど、
出たらもっと違う景色を感じるのかな。
身体を起こすのも辛いけれど、
ずっと寝たままだと別の病気になっちゃうらしい。
だから横になったまま、左を向いたり、右を向いたり、天井見たり、たまに起き上がってみたりと、文字どおりごろごろしている。
月ではずっと動いてばかりだったなぁ。
こんなんでいいのかなと思うけど、
ごろごろさえも辛いから……まあ、いいのかな。
早く身体が慣れるといいなぁ。
翁さんとオウナさんの役に立つ存在に、
少しでも早くなりたいな。
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