2026-08

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『かぐやは月には帰れない』◆17話 めざめたかぐやの1日

今日もまた目を覚ませた。昨日と同じ天井だ。それだけでまず一安心だった。身体はまだ重いけれど、心はなんだか軽い。昨日はたくさん泣いて、たくさん話をした。ふたりの名前も聞けた。翁(おきな)さんとオウナさん。素敵な名前だ。私を助けてくれた人。この...
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『かぐやは月には帰れない』◆第16話 捨てられた子

光が、まぶたの裏をゆっくり押し上げた。その光は、夢の終わりを告げる合図のようだった。——私は目を開けた。さっきの夢で見た天井。少し湿った空気。布の匂い。身体の重さ。ゆっくり視線を横に向けると、黒い髪の女性がいた。優しい目。柔らかい表情。敵意...
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『かぐやは月には帰れない』◆第15話 目を覚ましたかぐや

(かぐや視点)どれくらい闇をさまよっていたのだろう。自分が生きているのか、死んでいるのかもわからない。漂っているのか、沈んでいるのか。どこへ向かえばいいのかも、もう思い出せなかった。それでも——私を繋ぎ止める“何か”があった。右手に感じる、...
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『かぐやは月には帰れない』◆第14話 機嫌が良い翁(おきな)

(翁視点)朝日と共に起きるのが、こんなに気持ちいいものだとは思わなかった。鳥のさえずりも、朝の光も、草についた雨露も、向こうにはなかった。月の民にとってはこちらの環境は厳しい。だが、この世界は悪くない。むしろ面白い。今はオウナがかぐやの看護...
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『かぐやは月には帰れない』第13話 夜明けの手

(オウナ視点)夜が長い。彼女がきてからは光を締め切っているので、さらに長い。まるで自分が夜の住人になってしまったのかと思うほどに。かぐやの呼吸は浅く、時折ふっと途切れそうになる。そのたびに胸がぎゅっと掴まれるように痛む。「……大丈夫よ。ここ...
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『かぐやは月には帰れない』第12話 運び込まれる月の民

(オウナ視点)響く轟音。身体を貫く程の音の質量。家の中にいてもわかるほどのすごい大きな音。家そのものが揺れたと感じるほど。「オウナ!準備を頼む!」外にいた翁の声だ。もう姿は見えない。よほどの緊急事態なのだろう。無理もない、あの轟音だ。貨物便...
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『かぐやは月には帰れない』第11話 まだ鳥の鳴かないうちに

(オウナ視点)私の朝は早い。日が昇るのが先が、鳥が囀るのが先か、私が起きるのが先か。今日は外はまだ薄暗い。鳥もまだ鳴いていない。今日は私の勝ちかな。私も無駄に早起きしているわけではないが、翁にはもう少し休んでもいいんじゃないかとは言われてい...