✨ 第一王子 × シンデレラ:ガラスの恋(ロング版)
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✨ ガラスの王子、降臨
第二王子の振動が空気を揺らし、
第三王子の肉の香りが漂う中、
舞踏会の照明がふっと落ちた。
ざわめきが止まる。
光が一筋、階段に落ちる。
そこに立っていたのは――
全身ガラスの第一王子。
透明で、透けているようで、
でも“見えてはいけない部分”だけ絶妙にすりガラス。
光を反射し、
まるで“歩くステンドグラス”。
貴族たちは息を呑んだ。
「……割れないの……?」
「どうやって着たの……?」
「どうやって脱ぐの……?」
「関節どうなってるの……?」
誰も答えられない。
王国七不思議のひとつだから。
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✨ シンデレラだけが、彼を“神”として見た
シンデレラは一歩前に出た。
彼女には、
ガラスの王子が“変態”ではなく、
光そのものに見えた。
王子はゆっくりと階段を降りてくる。
ガラスがカラン……と鳴る。
その音が、
シンデレラの胸の奥に響いた。
(……綺麗……
どうしてこんなに……綺麗なの……?)
王子はシンデレラの前に立ち、
ガラスの手を差し出した。
「君の心が……透けて見える……」
シンデレラは思わず聞いた。
「どうやって着たの……?」
王子は微笑んだ。
「愛があれば……着られる。」
意味はわからない。
でも、恋は理屈じゃない。
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✨ ガラスの王子、踊る
王子がシンデレラの手を取った瞬間、
舞踏会の床に光が広がった。
ガラスが光を反射し、
二人の周りに虹色の輪ができる。
貴族たちは目を細めた。
眩しすぎて見ていられない。
でもシンデレラだけは、
その光を“まっすぐ”見つめられた。
王子は言った。
「君となら……割れてもいい。」
シンデレラは笑った。
「割らないで。」
二人は踊り続けた。
ガラスの音が舞踏会に響いた。
カラン……カラン……
まるで心臓の音のように。
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✨ 世界が狂っていても、恋は静かに成立する
振動王子が揺れ、
ベーコン王子が香り、
父と王様が剣技を語り、
義母とプリンセスが泣き合い、
ネズミ四天王が走り回る中で――
シンデレラとガラスの王子だけは、
静かに、透明に、恋をしていた。
狂気の世界の中で、
一番静かで、一番美しい瞬間だった。
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