🌟 第二章 義母と義姉、そして狂気の共同生活
母が旅立ってから、家は静かになった。
静かすぎて、逆に怖い。
冷蔵庫のモーター音がやたら主張してくるレベル。
そんなある日、父が突然言った。
「シンデレラ、紹介したい人がいるんだ。
今日からこの家に住む“新しい家族”だよ。」
いや、早い。
父の再婚スピード、
もはや“恋愛”じゃなくて“回転寿司”の回転率。
玄関の扉が開くと、
そこに立っていたのは――
義母:全身ブランド物で固めた、圧の強い女。
義姉A:常に自分の髪を触ってるナルシスト。
義姉B:常に何か食べてる謎の食欲モンスター。
三人とも、第一声がこれだった。
「この家、思ったより狭いわね。」
いや、初手それ言う?
義母は私を見るなり、
「あなたがシンデレラちゃん? まあまあ可愛いじゃない。
でもうちの娘たちの方が可愛いわよね?」
と、誰も聞いてない比較を始めた。
義姉Aは鏡を取り出して、
「ねえママ、私の方が可愛いよね?
ねえ? ねえってば?」
と無限ループ。
義姉Bは私の顔を見て、
「この子、食べたら美味しそうな顔してる」
と意味不明なことを言った。
私は心の中で叫んだ。
“この家、もう終わった。”
その日の夜、義母は父に言った。
「あなたの娘さん、ちょっと“甘やかされすぎ”じゃなくて?
今日からこの家の“労働担当”にしましょう。」
労働担当って何。
そんな部署、母の12巻にもなかった。
父は弱々しく頷いた。
父は優しいけど、強い女に弱い。
というか、強い女に“吸い込まれるタイプ”。
翌朝、義姉たちは私を呼びつけた。
「シンデレラ、今日からあなたは
“掃除・洗濯・料理・雑用・精神的サンドバッグ担当”だから。」
担当多すぎる。
義姉Aは鏡を見ながら言った。
「あなた、魂の輝きが見えるんでしょ?
じゃあ私の輝き、今日どれくらい?」
私は見てみた。
義姉Aの魂:
ギラギラしてるけど、方向が全部“自分”。
光が自分の顔にしか当たってない。
義姉Bの魂:
モヤモヤしてるけど、なぜか食欲だけは強く光ってる。
魂の8割が“食べ物”でできてる。
私は正直に言った。
「お二人とも……輝いてます。
方向性は……その……個性的ですが……」
義姉Aは満足げに頷いた。
「そうよね。私って個性的よね。
王子様も絶対私に夢中になるわ。」
義姉Bはパンを食べながら言った。
「王子様って美味しいのかな。」
いや、食べるな。
こうして私は、
義母と義姉という“狂気の三連星”
と暮らすことになった。
でも私はまだ知らなかった。
この狂気が、
後に私の“美貌サバイバル”を
とんでもない方向へ導くことを。

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