『シンデレラ 夜の舞踏会は少しおかしい』🐭🔥 第四章 ネズミが普通にいる家の日常

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🐭🔥 第四章 ネズミが普通にいる家の日常

舞踏会前夜。

家の中は、義母と義姉の狂気で騒がしい……

と言いたいところだが、実際はもっとひどかった。

なぜなら、

ネズミたちが完全に家族として生活に組み込まれていた。

朝、私がキッチンに行くと、

デブネズミがトースターの前で寝ていた。

パンが焼けるたびに、

「……あと5枚……」

と寝言を言う。

義姉Bはその横でパンを食べながら言った。

「デブネズミ、今日も元気だね。」

デブネズミは寝たまま親指を立てた。

親指どこから出したの。

リビングでは、正論ネズミが義母に説教していた。

「あなたの美しさは努力ではなく運です。

努力したのは美容師です。」

義母は泣いた。

正論ネズミは容赦がない。

義姉Aは鏡を見ながらポーズを研究していたが、

評論家ネズミが横で腕を組んで言った。

「その角度、昨日のほうが良かったね。

あと今日のあなた、ちょっと“自分に酔ってる感”が強い。」

義姉Aは鏡に向かって泣いた。

評論家ネズミは満足げに頷いた。

何に満足してるの。

正義ネズミはというと、

義姉Bのパンを守るために

デブネズミと戦っていた。

「パンは弱者の食べ物だ!

守らねば!」

「……弱者は俺だ……パンよこせ……」

戦いは毎朝行われている。

誰も止めない。

日常だから。

私は掃除機をかけながら、

母の12巻を開いた。

第9巻:

“美しい者は、混沌の中でこそ静かに呼吸せよ。”

呼吸か。

混沌って何(もう考えない)。

義母は突然叫んだ。

「シンデレラ! 舞踏会の予行演習よ!

あなたは床に座って、娘たちの美しさを見守りなさい!」

正論ネズミが言った。

「床に座る必要はありません。

あなたが座るべきなのは“家族会議の議長席”です。」

義母は混乱した。

義姉Aは鏡に向かって言った。

「今日の私、昨日の私より可愛い。

昨日の私、今日の私に嫉妬してる。」

評論家ネズミが言った。

「その発言、意味はないけど勢いはあるね。」

義姉Bはパンを食べながら言った。

「シンデレラ、今日のネズミたち、なんか調子いいね。」

いや、調子って何。

私は心の中でつぶやいた。

「この家、ネズミがいないほうが不自然になってきた。」

でも――

この“ネズミ込みの日常”が、

後に私の人生を

美貌サバイバルから、美貌×ネズミ群像劇

へと変えていくことを、

私はまだ知らなかった。

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