『走れメロス(走るダメロス)』✨【第1章】村を出るメロス

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朝日が昇る前、俺は村を出た。

理由は……まあ、勢いだ。

昨日、村の酒場で「王様が人を信じないらしい」と聞いて、

酔った勢いで「じゃあ俺が説得してくるわ!」と言ってしまった。

翌朝、冷静になった俺は思った。

――いや、なんでそんなこと言った?

でも言ってしまったものは仕方ない。

村のやつらも「メロス、頑張れよ」とか言ってくるし、

今さら「やっぱやめます」とは言えない空気になっていた。

荷物はほぼゼロ。

準備もゼロ。

計画性もゼロ。

あるのは昨日の勢いだけ。

でも、こういう“勢いだけの旅立ち”って、

人生で一番ドラマが始まる瞬間なんだよね。

村の出口で深呼吸した。

朝の空気が冷たい。

俺の頭も冷たい。二日酔いだ。

「よし、行くか」

その一歩が、全部を変えることになるなんて、

この時の俺はまだ知らない。

いや、知らないままでいたかった気もする。

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