『親子バンド イカれた息子とスラップ厨の父』 第五話 伝説のステージ裏
(語り手:息子)
ステージ裏に入った瞬間、
俺は悟った。
──今日は伝説になる。
そして父さんが世界に見つかる日だと
いや、もうこの学校にはすでに見つかっている。
—
ステージ裏に集まったメンバーたち
・父さん
・俺(息子)
・女子高生5人
・実行委員2人
• 教頭
• 3バカ(タタキ、ボン、ジャン)
• 映像研究部
• 写真部
• 音楽の先生
俺
「なんか増えてない?」
教頭
「さすがに…増えすぎだね…」
いや、教頭いるのもだいぶおかしいだろ。
—
父さんはステージ裏の壁にもたれ、
ベースを軽く弾いていた。
今気づいたけど、父さん6弦ベース持ってきてる。
本気だ。
もはやスラップが早すぎて、光が追いついていない。
女子高生
「マジで親指が暴れすぎててヤバい!」
ボン(元ベース担当)
「実は人差し指も使っているんだよ…見えないけど…」
教頭
「解説ありがとう…。」
俺
「コイツらいつまでステージ裏に…?」
父さんは優しく笑った。
「みんなありがとう。必ず成功させよう!」
涙ぐむ一同。
曲も音も何も打ち合わせしていないが、父さんとならなんとかしてくれる気がする。
—
実行委員の子が走ってきた。
「や、やばいです!!
ステージ前、人が溢れてます!!
ファンたちで…!」
父さん
「ファン?誰の?前の演奏者の?」
実行委員
「違います!間違いなくこのバンドのファンです!一部警察官や近所方も見えているようです!」
女子高生
「もう有名人だしね!」
3バカ(タタキ、ジャン、ボン)
「だよな!神だし!」
息子(俺)
「やっぱり父さんはすごい!!」
父さん
「息子はやはり…学校では大人気か…。」
父さんが小声でなにか呟いていたが、歓声で聞こえなかった。
—
父さんが突然言った。
「息子よ、みんなで円陣を組もう。」
全員
「えっ」
気づけば、
ステージ裏の全員が円陣に巻き込まれていた。
女子高生
「え、私たちも…?」
父さん
「もちろんだよ。
音楽はみんなで作るものだからね。」
俺(息子)
「やっちゃおうぜ父さん!もちろん掛け声は父さんで!!」
3バカ
「うおおおおおおお!!!神様ああああ!!」
教頭
「ひとりはみんなのために!
みんなは1人のために!
いくぞおおおおおお!」
父さん
“6弦、開放限B”
響く重低音!!
全員
「おおおおおおおおおお!!」
息子(俺)
「いや、お前がいうのかよ…!」
—
女子高生
「じゃあ、がんばってね!!私たちはアリーナに行くから」
3バカ
「俺たちも行くぜ!伝説は客席で見ねえとな!!」
教頭
「みんなでしっかりと見届けましょう!!」
—
◆ そして──出番
実行委員
「あと1分で幕上がりまーす!
ご準備お願いしまーす!!」
父さんはベースを背負い、
静かに言った。
「こんな日が来るとは思わなかった。」
俺
「……ああ、父さん。最高だよ…!」
俺たちは幕の向こうへ歩き出した。
すでに鳴り止まない歓声が鳴っている。
打ち合わせはゼロだが、なんとかなる!
俺には父さんがついている!!
—


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