🌈🔥🐭 第七章 市場で全員が正装を買う(TPO死亡・狂気開花)
市場に着いた瞬間、
家族は弾けるように散った。
父親は木剣を振り回しながら
「装備を整えるぞーーッ!!」
と叫んでコスプレ売り場へ突撃した。
群衆たちがざわついていた。
ざわ……ざわ……。
私は静かに服売り場へ向かった。
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🧔⚔️ 父親(剣士)
父親は舞台衣装コーナーで
肩に羽根のついた剣士衣装を見つけた。
「これだッ!!」
木剣を振り回し、
試着室のカーテンを切り裂いた。
お店の人が悲鳴を上げた。
父親は満足げだった。
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👑 義母(純白プリンセス)
義母は壺の破片を握りしめたまま、
「純白……今日は純白……!」
と呟きながらドレス売り場へ走った。
義母は純白のプリンセスドレスを抱きしめていた。
フリル、レース、ティアラつき。
完全に“主役”の格好。
市場の人がひそひそ話した。
「……あれ、王妃の衣装じゃ……?」
「……身の程……」
いまの義母には届かない。
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🪞 義姉A(自分の顔ドレス)
義姉Aは予約していたらしい“自分の顔が刺繍されたドレス”を受け取り、
その場で試着していた。
前も後ろも横も自分の顔。
鏡を抱えたまま、鏡の中の自分に言った。
「今日の私、世界に勝つ……!」
世界は目を逸らした。
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🍞 義姉B(パン着ぐるみ)
義姉Bはパンの匂いを追って消え、
戻ってきたときには
パンの着ぐるみを着ていた。
丸い。
ふわふわ。
パン。
デブネズミが泣いた。
パン屋の店主も泣いた。
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🐭 ネズミたち(意味不明)
ネズミたちは当然のように食品売り場へ。
デブネズミは転がり、
正義ネズミはマントを羽織り、
正論ネズミは値札に説教し、
評論家ネズミはルーペで商品を覗いていた。
デブネズミ → パン型の帽子
正義ネズミ → 正義のマント
正論ネズミ → メガネ
評論家ネズミ → ルーペ
「……ネズミが……買い物してる……?」
ネズミたちは実に誇らしげだった。
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🌙 そしてシンデレラ(魔法少女)
私は服売り場で、
ドレスを見た。
スーツを見た。
ワンピースを見た。
どれも違った。
視界の端に、
魔法少女の衣装があった。
ピンク。
フリル。
リボン。
杖つき。
私は静かに言った。
「……これだ。」
店員が固まった。
「えっ……舞踏会……ですよね……?」
私は冷静に答えた。
「はい。
変身できる服が必要なんです。」
店員は何も言えなかった。
私は杖を軽く振った。
可愛い音が鳴った。
「……悪くない。」
お店の人々がざわついた。
「……シンデレラさんまで……?」
「……家族全員……?」
私は聞こえないふりをした。
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🧔🐭👑🪞🍞🌙 全員集合
父親 → 剣士
義母 → 純白プリンセス
義姉A → 自分の顔
義姉B → パン
ネズミ → 意味不明
シンデレラ → 魔法少女
群衆は道をあけた。
父親が叫んだ。
「よし!!
これで舞踏会に行けるな!!」
全員が頷いた。
私は静かに言った。
「……この家族、案外悪くない。
私は全てをゆるそう。今だけは。」
市場の人々は誰も近づかなかった。
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