✨『銀河鉄道の夜は終わらない』 第14章 ガリバーの悩みは終わらない

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✨『銀河鉄道の夜は終わらない』 第14章 ガリバーの悩みは終わらない

列車は走り続けていた。

マッドが戻ってきたせいで、もう逃げられない。

ガリバー

「……じゃ、話すわ…」

デブネル

「急にいくね!」

ガリバー

「ためたら言えねぇからな。

俺の悩み、単純だよ。

“家がめんどくさい”。」

インファ

「…めんどくさい……?」

ガリバー

「うん。

親が元ヤンでさ、金はあるのに、

“男は高校から自分で稼げ”って謎ルール押し付けられてんの。」

デブネル

「出た、ガリバー家の地獄ルール。」

ミヤビ

「どういうこと?普通に高校行ってるんでしょ?」

ガリバー

「ああ。高校行きながら、生活にかかる費用を全部負担しろとよ。

自分は中学で家を出て自分で稼いでたから今があるんだとよ。

だから男たるもの自活すべし!らしい。」

デブネル

「生活にかかる費用ってなに?食費とかも?

学校のお金はさすがにないよね。」

ガリバー

「親が立て替えてる部分ももちろんあるが、いずれはそれも全部返さなきゃならねぇ。

実家に住んでるが、謎に家賃が発生するし、食費もなぜか俺だけ取られんだよ。」

インファ

「…ひどい…。

お父さんお母さん引きこもらせてくれてありがとう…」

(小声で天を仰ぐ)

ガリバー

「だから俺、朝は新聞配って、

学校じゃ内職して、

夜はファミレスで皿洗って、

休日は着ぐるみ着て走り回ってんの。」

ミヤビ

「それほぼ虐待じゃん。聞くだけで倒れそうなんだけど。」

ガリバー

「ああ、多分今回倒れてここにきてんだよ。」

デブネル

「過労……!労基に相談!権利を主張!」

ガリバー

「まあ。

元ヤンは成功してもヤンキー思考なんだよ、本当にバカなんだよ。」

マッド

「……。」

ミヤビ

「先生なんか言いたいことある?」

(全く会話に入ってこないけど)

マッド

「そうじゃな…。

悩みを聞きたいとは言ったが、ここまでとは思わなんだ。

自分のことしか考えてこなかったワシには、なかなか難しくての。

ワシには子供もいないし、親の気持ちもわからんからの。」

デブネル

「役にたたないじゃん!」

ガリバー

「まあ、そんなこともない。

話すだけでも割と楽になったりするもんだ。

現に今少し救われてる気がするぞ。」

マッド

「ガリバーは大人じゃの〜。本当に関心じゃ!

だがの、一つ言わせてもらうわい!」

ミヤビ

「ようやくスイッチ入ったかしら。」

ガリバー

「なんでもどうぞ…。」

マッド

「ガリバーよ。

確かにお主は心も成熟しており、バイトのおかげか社会経験もワシなんかより豊富に見えるわい。

だがの──

どんなに大人のような心を持っていても、

子供の心は必ず胸のうちにあるんじゃ。

今それを無視して生きられても、

将来必ず“育たなかった子供の心”が顔を出してくる。

一生ついて回るのじゃ。

家族の問題は根が深い。

簡単には解決できない問題かもしれぬ。

だが、人生の先輩としてこれだけは言いたい!

高校生は高校生らしく生きるべきなんじゃ!

子供は子供らしく生きていいんじゃ!

大人として生きなければいけない期間は、

君らが思うよりもずっと長い。

それだけ“子供でいて許される期間”が短いということじゃ。

以上が、万年子供脳のワシからのアドバイスじゃ!」

デブネル

「急に長いよ〜。最後のいらないし。」

インファ

「でも、すごくいいこと…言っている気がする…」

ミヤビ

「大人からの視点も新鮮ね。

私たちは少しでも大人になろうと背伸びするのに。」

ガリバー

「ありがとう、マッド。

熱い心あるんじゃねえか。

それを生徒にできれば人気も出てくるんじゃねえか。

なんて…正直どうしたらいいかわかんねぇんだ。」

インファ

「……もう限界ですよ……」

ガリバー

「そうかもな。

子供は1人では生きられない。

親が毒だとどこにも逃げ道がねぇ。

そうなりゃ、早く大人にもなりたくなるもんだぜ。」

ミヤビ

「本当に辛いわね。子は親を選べないもの。」

デブネル

「ガリバーの人生、ハードモードすぎる。」

マッド

「ガリバーよ。

お主は本当にいい子じゃ。

若くしてここまで成熟しておる子もそうはおらんじゃろ。

だがその優しさを自分にも向けてみたらどうかの?」

ガリバー

「自分への優しさか…

とくには考えたことなかったかもな。」

ミヤビ

「でも……親をどうにかしないの根本の問題は解決しないわよね?」

ガリバー

「ああ。

どうしたらいいかわからねえとは言ったが、方法は一個しかねえ。

あのクソ親父と話すしかねぇんだよな。」

マッド

「ガリバーよ。菓子折りを持って頼みに行くんじゃ!」

ガリバー

「親に菓子折りは変だろ!

まあでも、いつもすぐお互い熱くなって収拾つかなくなるからアリかもな。」

デブネル

「おいしいパンがいいんじゃない?」

ガリバー

「スティックパンを親父の口に突っ込んじまうかもな!笑」

ミヤビ

「それ、笑えないわよ。」

インファ

「ガリバーさんなら、きっと大丈夫…です…!」

マッド

「まあダメなら、ワシのとこに来なさい。

養子にしてやるわい!

立派な科学者に育ててみせるぞい!

高校生一人くらい養える金はあるんじゃ!!」

デブネル

「よかったじゃん、ガリバー内定もらえたね!」

ガリバー

「是が非でも成功させないとな!笑」

解決したのかしてないのか。

悩みの種はまだあれど、ガリバーの決心は固まったようだった。

列車はまだまだ止まりそうにない。

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